イグ・ノーベル賞受賞でも話題になっていた、わさびの香りを利用した警報装置。
NHKあさイチで、わさび特集の最後に紹介されてました。
警報装置に使われてる、わさび臭気スプレーをお試しとしてスタジオで噴射してましたが、かなりツーンときたらしく・・・目にもきてたようでした。
うおっ効きそう・・・ 興味もったので、少し調べてみました。
わさびのツーンとした香りは?
わさびに含まれる「アリルイソチオシアネート」という、揮発性の辛味成分が、ツーンを起こさせる正体です。
揮発性だから、鼻の粘膜を刺激。 食べてなくても、ツーンとくるんですね。
しかも、あの、わさびを使った警報装置は、
”わさび臭は、嗅覚に隣接する痛みの感覚を刺激してすぐに起床することができます“
と。
すごいですよね。
開発段階では、ミントとかのいい香り系から、靴下とか臭いにおい系まで、いろいろ試したそう・・・!
ですが、わさびが選ばれたのは、痛覚も刺激という、反応のわかりやすさなのでしょうね。
ツーンとはするけど、そこまで嫌とか害にはならないし、わりに早めに香りも消える、というのも選んだ理由だそうです。
わさびの辛味はすりおろし方次第
ところで、
わさびの辛味成分である「アリルイソチオシアネート」、
実は、植物体内では、揮発性も辛味もないグルコシノレートとして存在しているのだそう。
すりおろすなどして植物組織が損傷されると、細胞内の酵素と反応して、
揮発性と辛味のある「アリルイソチオシアネート」になるのだそうです。
そういえば、
わさびのすりおろしは、やり方によって、ずいぶん、辛味が違うそうですね。
あさイチでも、「優しく笑顔で、まーるく円を描くように」渡辺裕太さんが実演してました。
すりおろし方がマイルドだと、わさびの損傷もマイルド、酵素の反応もマイルドで、辛味もマイルドってことなんでしょうか。
2011年イグ・ノーベル賞を受賞したわさび警報装置
イグ・ノーベル賞は、ノーベル賞のパロディーとして「人を笑わせ、考えさせる」独創的な研究に贈られるものです。
当時の日本経済新聞の記事によれば、
「火災など緊急時に眠っている人を起こすのに適切な空気中のわさびの濃度発見と、これを利用したわさび警報装置の開発」が授賞対象となり、「非常にユニークかつ実用的」(同賞事務局)と評価された。
開発のそもそものきっかけは?
聴覚に障害があると火災報知機が聞こえない、香りで解決できないか?
というのがきっかけのようです。
これは、聴覚に障害のある方の関わりが大きかったようです。ベンチャー企業に提案、開発にも臨床実験にも、何人も関わって、完成したものだそうです。
困っている当事者自身が積極的に関わっての、警報装置、すごいですね!!
聴覚の障害といっても、生まれつきや病気等の方ばかりでなく、年齢とともに聞こえにくくなる方まで考えれば、非常に多いですよね。
それに、疲れ切ってたら、障害がなくて若くても、音では起きにくいかも。
わさび臭気を含んだ空気は、やや重いため、煙よりも早く、寝ている人のところに達し、気づきやすいのだとか。
多くの人に役立ちそうですよね。
わさび警報装置の効果は? わさびの香りは痛みだった?!
仕組みは、火災報知機では音や光で知らせるところを、わさび臭気スプレー噴射!となるようにしたもの。
実験では、被験者32人中31人が2分以内に目覚めたそう。
ちなみに、起きなかった1人は、鼻づまりだったとか(笑)
さらに、”担当医師によって、痛みを感じる三叉神経の刺激による起床と解明されている”
とのことです。
痛みですよ、痛み!!
わさび警報装置の基本は、わさびの香りの刺激が、痛みだから。
寝てたのに起きるんですよ、わさびの香りで覚醒ってすごいですよね。
そういえば、むかしむかし学生だった頃、
わさびの香りを嗅ぐと眠気覚ましになる、4時間もつと聞いたような。
今、ググっても出てこないし、4時間がどうかわからないけど、たしかに強烈ですよ。
嗅ぐだけでOKってきいた当時は納得いかなかったけど、今は納得!!です。
ところで、このわさび警報装置、どこで売ってるのか、探すのにちょっと困りました。
販売名は「臭気発生装置」となっているようですよ。5万円前後みたいです。
参考 「植物の辛味成分について 日本食品分析センター」
「香りによる補助警報装置:東京都産業労働局公式サイト」
「ハウスの出張授業サイト」「NHKオンライン」
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