大切な人と読みたい絵本!心情が絵の風景に色に・・・刀根里衣

刀根里衣さんの絵本が、NHKテレビで何度か紹介されてて、気になってました。
刀根里衣さんは、ミラノで絵を描いておられ、ボローニャ国際絵本原画展への入選や、日本人として初めて国際イラストレーション賞を受賞されているそう。
私は刀根さんのことは知らなかったのですが、テレビにうつった、深く優しい色合いに釘付け!

スポンサーリンク




実際に読んでみて、思ったのは、とにかく色が美しい!

風景と心情が重なる、というか、
風景をみてる、その目に映る世界は、その人の心持ちでもって見た世界、というか。

刀根さんが表現した世界を見て、
私はまた、そこからイメージが広がっていく、
いっしょに読む人とさらに広がる、わかちあう、そんなことを感じる絵本たちです。

ぴっぽのたび

主人公は小さなカエルのぴっぽ。
眠れず羊を数えていると、夢の中を旅するという小さな羊に出会います。
いっしょに5月、6月、と季節を旅していくのですが、
ページをめくるたび、画面いっぱいに広がる色が移り変わっていくのが印象的です。

ぴっぽのたび

私たち親子が気に入ってるページは、

6月
水の中。はすみたいな葉っぱと、赤い金魚がいい感じ。

8月
海の深い青、ゆらめくクラゲ

10月
紅葉した林の、あたたかみのある紅、うっとりしてる2匹

1月
羊をおいて、一人で歩くぴっぽ。降る雪に見えなくなりそう・・・

3月
ぴっぽは遠くに羊をみつけ

4月
たいせつなともだちのもとへ走り出す・・・!

もう、この4月がね、たまらなく好き。

やわらかな春の光と、
ちょっとか細いようでふわり風にのって陽の光の中へ舞い上がっていく草花の感じ

走り出すぴっぽの気持ちに重なるんです。

ほんとうに美しく、心持ちが景色に現れる、そういう心のありようで見える景色、
たぶん、読み手も、開くたびにその時々で見え方が変わるんじゃないか、
そんなふうにも思う絵本です。

スポンサーリンク




なんにもできなかったとり

刀根さんが初めて出した本だそうです。
大学卒業後、一人イギリスへ渡り、絵を描いていたそうですが、
なかなか絵本は出せず。

ところが、イタリア人の編集者さんが、読んですぐ、出版を決めたのだそう。
・・・この出会いってすごいですよね。
その後、刀根さんはイタリアで描いておられるわけで。

その編集者の方が見出してくれて、今、この作品に出会えることにも感謝です。

なんにもできなかったとり

ただ

なんにもできなかったとりは、
その当時の刀根さんご自身が重なってるんだな、
そう思わずにおれなかった私は、ちょっとばかし、覚悟して読んでみたんです。

もしかしたらつらくなっちゃう??とか思って。

だけどまぁ、
なんというのでしょう。

できなさ具合がユーモラスに描かれてる。

登れなくてクモの巣におっこちてる
歌えなくて音がくしゃくしゃ?
飛べなくて風船使ったら・・・しぼんじゃった

かわいいというか、くすっとしちゃうというか。
やわらかい色合いもとっても愛を感じるのです。

だけども、自分に重なってるからこそ、
そう描かずにはおれないんだよね、とも思ったり。

でも、そんな、なんにもできなかったとりが、
困っているお母さん花に出会ってしたことは・・・
残したものは・・・

大切にしたいことって何だろう
ささやかなようでいて、代えがたいもの

ちょっと心が弱ってた私にも、あたたかく沁みました。
すこし元気ないな・・・という方にはぜひ。

きみへのおくりもの

バレンタインデー向けで描かれたときいて、え??と思ったのですが。
とーっても、愛らしく、茶目っ気もあって、これ、なかなか良い。

きみへのおくりもの

猫のカップル、
オスのクロちゃんは、水面の、キラキラを、シロちゃんにプレゼントしたい。
すっごい奮闘するんですが、
変なものばっかりとれちゃうんだな(笑)

もー、クロちゃん、勘弁してよってな感じにびっくりしてる場面もありつつ、
温かく受け止めるシロちゃんがまたいいのよ。

大好きな人に、とびきりすてきなものをプレゼントしたい、
誰もが悩んじゃうとこだけど、
ほんとにうれしいのは、その心意気

まぁ、この絵本がバレンタインデーのプレゼントに良いかどうかは、
好みというか、相手によるのでしょうけども

私が思うに、これを選び、相手も喜んでくれるならば、
それは、かなりいい感じのカップルなんじゃないかと。

ちなみに、うちの中学生男子は、けっこう喜んでみておりました。
あ、プレゼントしたわけでもされたわけでもないけどね(笑)

ちょっと笑っちゃう、でも、あったかい展開
思わずひきこまれる絵の世界

願わくば、うちの子も
シロちゃんみたいな、心あたたかい彼女に出会ってほしいものです。

スポンサーリンク




わたし、お月さま

刀根さんの一番最近の絵本。
芥川賞受賞されている青山七恵さんが文章を書かれています。

私はまだ読んでいないのですが、NHKシブ5時だったかな、紹介されてました。
青山さんは「がんばって私が全部説明しなくていいときづいた」
そんなふうに話しておられて。

刀根さんの絵から伝わるものが大きいんだな、と思うと同時に、
それに寄り添って世界を表現する青山さんとの女性二人での作品、とっても気になっています・・・!

わたし、お月さま

刀根さんの絵本は、一人でじっくり読んだら、
今度は、大切な誰かと眺めたい
すてきな時間をすごせるような気がします。